指輪物語 — 7 karakter
アラゴルン(馳夫)
ホビット庄やブリー郷近辺で「馳夫」として知られる謎の野伏(レンジャー)だが、その正体は古代の王の血を引く隠された継承者である。ガンダルフの長年の友であり、ホビット庄の外の危険地帯における野伏たちの指導者。ブリーで指輪の仲間たちと偶然を装って合流したが、それは彼の警戒心の強さゆえであった。黒の乗り手たちに対して一行を導く極めて重要な役割を果たす。ホビットたちの閉ざされた世界から見れば恐ろしく無骨な人物だが、やがて知恵と保護の心を持ち、追跡術に長け、癒しの力を持つ偉大な英雄であることが証明される。
ビルボ・バギンズ
ホビット庄の有名な冒険家であるビルボ・バギンズは、莫大な富と「狂ったバギンズ」という悪評のためにホビットたちの間では伝説的な存在。若かりし頃、ドワーフたちとの孤独の山への冒険から帰還した際、偶然に、いやむしろ邪悪な巡り合わせで一つの指輪を手に入れた。長年、指輪は彼に不死に近い長い若さを与えたが、バターを多すぎるパンに塗り広げたように、彼の魂を希薄にしてしまった。111歳の壮大な誕生日に、ガンダルフの助けを借りてついに指輪を手放し、平和と詩を求めて裂け谷へと去り、中つ国で最も重い荷物をフロドに託した。
フロド・バギンズ
叔父のビルボ・バギンズにホビット庄で育てられたホビットで、そこでは平穏で快適な生活を送っていた。しかし、叔父から相続した指輪が中つ国の運命を暗く変える「一つの指輪」であることをガンダルフから聞き、人生が一変する。平和な故郷を離れることに当初は恐怖を感じたが、重荷を背負うという厳粛な態度が彼を唯一無二の存在にしている。旅を通じて、ホビット庄の平凡な住人から高潔かつ憂鬱な英雄へと変貌を遂げる。黒の乗り手たちの執拗な圧力、負った傷の痛み、そして精神に浸透してくる指輪の誘惑と常に戦わねばならない。
ガンダルフ
不死の存在であるイスタリ(賢者)の一員である、知恵と力を持つ魔法使い。冥王の専制から中つ国を守るため、諸王国や人々を巡る終わりのない旅を続けている。『指輪物語』の冒頭において、フロドが持つ指輪がサウロンのものであると断定した人物。長年にわたり、自身の神秘的な出現と消失を通じて中つ国の出来事を動かし、指輪をホビット庄から持ち出す計画を練ったが、サルマンの裏切りなどの障害により、フロドに間に合わないこともあった。彼は霊的な力の源であり、もっとも暗い危機における希望の光である。
J.R.R.トールキン
ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンは1892年1月3日、南アフリカのブルームフォンテーンに生まれた。1895年に母が二人の息子を連れてイングランドへ戻ったあと、現地に残った銀行支配人の父アーサーは翌年かの地で世を去った。少年時代はバーミンガム近郊の田園で過ぎた。母メイベルは1900年にカトリックへ改宗し、1904年に糖尿病で亡くなると、兄弟はフランシス・モーガン神父の後見に委ねられた。学校時代の彼をほんとうに捉えていたのは、古い言語と自分で考え出した文字だった。 オックスフォードのエクセター・カレッジで古典文献学から英語学へ移り、1915年に首席で卒業する。1916年にイーディス・ブラットと結婚し、同じ年に将校としてソンムへ送られた。塹壕で得た熱病が彼をイングランドへ連れ戻し、療養の数か月のあいだに、のちに『シルマリルの物語』となる『失われた物語の書』を書きはじめた。 戦後は『オックスフォード英語辞典』の編纂に加わり、リーズで教え、1925年にはアングロサクソン語の教授としてオックスフォードに戻った。1936年の『ベーオウルフ』講演は、この叙事詩を文学として読む道をひらいた。子どもたちに語って聞かせた話から生まれた『ホビットの冒険』は1937年に世に出る。続篇を求められて十年を超える仕事が始まり、『指輪物語』は1954年から1955年にかけて三巻で刊行された。 トールキンはまず言語をつくり、それを話す民をあとからつくった。彼の語る世界には地図があり、暦があり、固有の詩があった。叙事詩の言葉に寄りかかった重い文体は長く批評家を遠ざけたが、読者は本を手から手へ渡していった。イーディスは1971年に世を去り、トールキンは1973年9月2日にボーンマスで没して、オックスフォードの妻のかたわらに葬られた。未完のまま残された『シルマリルの物語』は、息子クリストファーが編み、1977年に世に送り出した。
サムワイズ・ギャムジー(サム)
袋小路屋敷の勤勉で謙虚、そして地道な庭師であるサムワイズ・ギャムジーは、フロドの忠実な守護者であり親友。エルフに対する強い憧れが理由でガンダルフの秘密を立ち聞きしてしまい、指輪の旅に巻き込まれることになった。当初はホビット庄の外の世界について全くの無知で恐怖に満ちていたが、彼の勇気は主人であるフロドに対する深い愛情から生み出されたものだ。フロドが傷ついたり危険に晒されたりした時には、不器用さをかなぐり捨てて冷徹な戦士へと変貌することもある。物語を通して、一介の農夫が強靭でかけがえのない精神的支柱へと成長する姿が描かれている。
トム・ボンバディル
妻のゴールドベリと共に古い森の奥深くに住む、謎に満ちた極めて古く計り知れない自然の精霊。世界やエルフ、人間、ドワーフが存在するずっと前からそこにいた。指輪の力も彼を支配できず、サウロンも彼を理解できない。彼は完全に自らの自然の主人である。柳じじいや塚人からホビットたちを、戦うこともなく歌だけで救い出すという無限の力を示した。彼は指輪の行方には何の関心も持っていない。