死せる魂 — 8 karakter
マニロフ
N市近郊のマニロフカ村を所有する裕福な地主。愛情深く、あまりに甘く、親切に見えるが、時が経つにつれ、その甘さは周囲に倦怠感と退屈を与える。妻マニロヴァと共に築いた砂糖菓子のようにベタベタした夢見がちな世界の中で、子供にテミストクリウスやアルキデスといった古典的な名前をつけたことを誇りに思っている。農場や農奴、家事の管理にはほとんど関心がなく、パイプをふかしながら未読の本を眺め、実現不可能な橋や城を築く夢ばかりを見ている。チチコフの友情にあまりに魅せられてしまったため、彼から金を取ることを無礼だと感じ、喜び勇んで「死せる魂」を無償で譲渡し、独自の精神的充足に浸る。
ミハイル・セミョーノヴィチ・ソバケーヴィチ
体格が大きく、熊のように内面も外見も野獣を具現化したような地主。非常にぶっきらぼうだが、極めて現実的で世俗的である。一見建築の趣味も悪く、重く粗野な家具に囲まれた城に住んでいるが、それらは非常に頑丈に作られている。来客中、チチコフの存在を長い間無視し、自分の家具と同じような沈黙を保つが、食事の話題になると貪欲な食欲を見せる。官僚や知事、エリートに対して深い憎悪を抱いており、彼らを「ろくでなし」や「いかさま師」と呼ぶ。チチコフが死せる農奴の話を切り出すと、即座にその意図と要求の不条理さを察知し、この「異常な」交渉を普通の商人のような冷徹さでこなす。最終的には、死んだ農奴を100ルーブルと吹っかけ、最終的には2ルーブル半で手を打つという狡猾さを見せる。
ナスターシャ・ペトロヴナ・コロボチカ
N市近郊に住む、強情な未亡人の地主。チチコフがノズドリョフの屋敷へ向かう途中、嵐で馬車が動かなくなり、偶然彼女の屋敷のドアを叩くことになる。典型的な田舎の老婆で、伝統的かつ視野が狭く、収穫や経済的損失について常に不平を漏らしている。生産した蜂蜜や麻、羊毛を屋敷に溜め込み、何事にも利益を上げようと腐心する。チチコフから「死せる魂」の買い取りを持ちかけられると大きな衝撃を受けるが、道徳的な懸念ではなく、死んだ農奴を売ることで損をしないか、あるいはもっと高く買い取る客がいるのではないかという強欲な疑念ゆえに、じれったいほどの頑固さを見せる。最終的には、チチコフの根負けさせるような最後通牒を受け、15ルーブルで売却に同意する。
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリは1809年、ポルタヴァ地方の町ソロチンツィに、小地主の家の子として生まれた。父ヴァシーリー・ゴーゴリ=ヤノフスキーは素人芝居を書き、自宅に舞台をこしらえる人だったが、ゴーゴリが十五歳のときに世を去った。病がちで内にこもる子どもだった彼は、ニェージンの学校では舌鋒の鋭さと、学芸会で演じる老人役とで知られた。 1828年、名を上げようとペテルブルクへ出る。俳優の道は開けず、自費で刊行した詩『ハンス・キュヘルガルテン』が酷評されると、残っていた本を買い集めて焼き捨てた。下級官吏として勤めながら書いたウクライナの村の物語集『ディカーニカ近郷夜話』(1831-32年)が一夜にして彼の名を知らしめ、プーシキンとの交友をもたらした。 1835年に『ミルゴロド』と『アラベスク』を出し、翌年上演された『検察官』は地方役人を笑いものにして大騒ぎを引き起こした。反響に疲れ果てたゴーゴリはロシアを離れ、その後の十二年の大半をローマで過ごし、『死せる魂』第一部をそこで書いた。1847年に出した『友人との往復書簡選』は、それまで彼を擁護してきた批評家たちを敵に回し、ベリンスキーの怒りに満ちた手紙は彼を深く揺さぶった。 ゴーゴリの筆は、滑稽なものと不気味なものをひとつの文のなかに並べて置く。『外套』の影の薄い写字生も、『死せる魂』に出てくる地方の屋敷も、読む者を笑わせながら落ち着かなくさせる。ロシア散文の写実の系譜は、その多くがこの眼差しから生まれた。1848年にはエルサレムへ巡礼した。晩年は宗教的な危機に呑まれ、1852年2月、『死せる魂』第二部の草稿を火に投じ、食を断ち、数日後にモスクワで四十二歳の生涯を閉じた。
ノズドリョフ
30代の地主で、活動的かつ博打打ち、大言壮語を吐く乱暴者。チチコフはN市の知事や検察官のパーティーで彼に初めて出会うが、その粗野なエネルギーには当惑する。後に地所へ向かう途中で義理の兄弟であるミジュエフに会った縁で、無理やり彼の屋敷に招待されることになる。常に市場や賭場をさまよい、財布の中身だけでなく、馬や馬車さえも失うような人物。底抜けに陽気な外見だが、病的な嘘つきであり、他人の犠牲の上で自分の持ち物を売ったり交換したりすることを常としている。チチコフに「死せる魂」を譲る代わりに、賭け(バックギャモンやトランプなどでのイカサマ)で勝ち取らせようと強引に迫る。最終的には、ノズドリョフが使用人にチチコフを殴らせようとしたところで、偶然警察の家宅捜索が入る騒動となる。
パーヴェル・イヴァーノヴィチ・チチコフ
パーヴェル・イヴァーノヴィチ・チチコフは、元官僚であり、入念な交渉術を心得た本作の主人公である。幾度か財産を失った彼は、再び富を築き、辺境の地で立派な人物として定住するために、道徳的には荒唐無稽だが法的には抜け穴となる計画を立てる。彼は、前回の国勢調査(検地)から次回の調査までの間に死亡したものの、公的な「修正名簿」上では存命となっている農奴、すなわち「死せる魂」を地主から安く買い集める。その目的は、実在しない農奴を担保として国から多額の融資を引き出し、貴族としての地位を得ることである。N市では、その強烈な愛想の良さで知事や有力な官僚たちを魅了した。地主たちを一人ずつ訪ね歩き、マニロフ、コロボチカ、ノズドリョフといったそれぞれの偏屈な性格をなだめ、取引を成立させることに執心する。チチコフは、徹底的に実用的で、ロマンチシズムを欠き、冷徹で、自ら作り上げた偽りの富の夢を実現することのみに固執する「中産階級」を反映した存在である。
プリューシキン
かつては非常に裕福で几帳面、繁栄していた地主だったが、妻の死をきっかけに精神的な崩壊を経て、殻に閉じこもるようになった老貴族。初めて対面したチチコフは、ぼろを纏い顎から毛を生やした彼を見て、老いた家政婦か、あるいは男性の乞食か判断に迷う。千人以上の農奴と広大な土地を持ち、倉庫には腐りかけの農作物が山積みになっているにもかかわらず、地面に落ちた小さな釘や古い布切れ、紙くずを拾い集めて部屋で腐らせるという、病的な貧困の姿を見せる。娘や孫に手を差し伸べることもなく、息子とは絶縁している。チチコフは彼の病的なまでのケチさにつけ込み、税金の肩代わりという口実で「死せる魂」を即座に売却させる。チチコフの狡猾な策略を前に彼を天使だと思い込むほど精神を病んでおり、自分の惨めさを愛しているような男である。
セリファン
チチコフの御者。物語を通じて、チチコフを乗せて町や地所の間を馬車で往来する。強靭な肌、素朴さ、そして酒に対する異常な執着心を持ち、典型的なロシアの「ムジーク(農民)」を象徴している。旅の間、機会さえあれば居酒屋に立ち寄って酔っ払い、主人を乗せた馬車を横転させたり、道に迷ったりする。盲目的な従順さと、見え透いたずる賢さの間を行き来する性格。チチコフから叱責や罵倒を受けると、ぶつぶつと独り言を言い、罪を他人や運命、特に馬車の馬たち(「斑馬」など)に押し付けることで難を逃れようとする。